中小企業診断士試験に合格しました。
2023年2月1日に中小企業診断士試験(二次)の合格発表がありました。
無事、中小企業診断士試験に合格していました。これまでも経営面を踏まえてのご相談対応を心がけてはきたつもりですが、今後は試験で得た知見も活かしてより有用な話ができるようにしたいと思います。地域の特産品のブランド価値の向上などの観点からの研究もしていきたいと考えています。
さて、今回は少し趣向を変えてみて、中小企業診断士試験についての雑感を書いてみます。中小企業診断士試験の受験を考えている方の参考になればいいなと思います。ただ、私の場合は、弁護士という仕事をしてきたということで、文章を書くことに比較的慣れていたということは前提としていただけるとよいかもしれません。
ご存知の方も多いかもしれませんが、中小企業診断士試験は多肢選択式の一次試験と、論文式の二次試験があります(なお、正確には二次試験に口述試験もありますが、ここで落ちる人はほとんどいないようです)。ここでは、論文式の二次試験についてだけ簡単に感想を述べておきます。
「掴みどころがない。」
一言で言えば、そういう試験だと思います。中小企業診断士試験では事例Ⅰから事例Ⅳまで4つの事例が出題されます。このうちの事例ⅠからⅢについては、解答要求がはっきりとはわからないのです。事例Ⅳは財務会計の問題ですので、答えは決まっています。ただ、事例Ⅰは組織・人事、事例Ⅱはマーケティング、事例Ⅲは生産・技術といった内容を中心に問われるのですが、正解が良くわからないのです。出題趣旨は公表されていますが、一言しか書いていません。予備校の解答もありますが、予備校により違いがあります。確かに、中小企業への提言のような問題は正解があるとも言えないので、模範解答のようなものが独り歩きしてしまうのも問題かもしれません。
私は、中小企業の診断に必要な知識(e.g. フレームワーク)を具体的な事例に当てはめていくことができれば、ひとまず合格レベルではないかと思い、そのような意識はもつようにしていました。ただ、あとは作問者との相性の問題と割り切るくらいの感覚が必要ではないかと思います。ただし、事例Ⅳは答えがはっきりしていますので、勉強すれば伸びます。ここはキッチリと抑える必要があるのでしょう。
結局、事例Ⅰは59点でしたが、そのほかの事例は60点以上を死守できました。最も良かったのは事例Ⅳで83点でした。むかしのことになりますが、日商簿記検定1級で苦労したことがあったので、その知識・経験を活かせたというところだと思います。ある程度の手堅い得点計画を建てようと思うと、このようなパターン(事例Ⅳで稼ぐ)しかないのかもしれません。とはいえ、ここが苦手な方も多いので、このあたりが中小企業診断士試験を難しいものにしているのかもしれません。
ここからは完全に私の偏見です。そのつもりで読んでいただければと思います(自己責任ということでお願いします)。
事例ⅠとⅡに関しては、過去問や問題集を解きまくるというより、ある程度ちゃんとした本をのんびりと読んだほうがいいような気がします。テクニックに走るより、そのほうが自分のためになるからです。一生懸命、二次試験の勉強をしましたと言っても、変なテクニックしか覚えていないのでは意味がないような気がします。組織構造論や組織行動論は結構面白いです。経営戦略の本などいくらでもあるので、即効性をあまり考えないでのんびりと読んでみるのがいいのではないかと。もちろん、深入りは禁物ですし、一次試験に通ってからの勉強だと時間的な余裕もないかもしれませんが。あと事例Ⅲに関してはYouTubeなどでよくわからない生産方法などの動画を見てみるのもよいかもしれません。
あと、予備校の言うことに振り回されすぎないことも大事かなと思います。どの試験もそうですが、必勝法はありません。この試験は特にその傾向が強いように思います。予備校の言うようにSWOT分析も大事でしょうが、何でもかんでもというのも正直抵抗がありました。少なくとも3C分析をしろという設問であれば、それで十分かと思います。外部環境の変化が新型コロナウイルス感染症ということで分かりやすいのであれば、VRIOのフレームワークなどで企業の内部資源を重点的に分析してもいいのかもしれません。試験時間を考えれば問題文をカラフルに塗り分けるのがいいとも言えないような気もします。私は○☓程度で十分かと思います。とにかく、自分のことですから、自分で考えて自分なりのやり方にすればよいのかなと感じました。
以上、とりあえず終わったので、思いついたことを書き連ねました。何か参考になれば幸いです。